(3) 上記2(3)(説明義務違反(術式の選択に関する説明))について
ア被告が大胸筋下法を採ったのは,?乳房の上部から自然な膨らみを持た せることができる大胸筋下法が,丸く前に突き出すような不自然な状態を 矯正したいという原告の希望に沿うものであると考えられたことと,?大 胸筋下法の方が乳腺下法より再拘縮のリスクが低いことによる。
そして, 乳腺下法を採った上でオープンカプセロトミーを行うというような大きな 手術は,原告に負担をかけ,出血のリスクも高いことから,選択肢とはな らなかった。
したがって,被告が大胸筋下法を採ったことに問題はなく, 乳腺下法を採った上でオープンカプセロトミーを行うという選択肢はなか ったのであるから,手術方法の説明に関し,被告に義務違反があったとは いえない。
イ義務違反と結果との間の因果関係について
争う。
原告の乳房が不自然な形となったのは,本件手術後,原告がマッサージ を十分励行していなかった(下記(5)ア参照)ため,バッグが挿入位置よ りも上方にある状態で被膜拘縮を起こしたことにより生じたものである。
(4) 上記2(4)(本件手術の手技上の義務違反)について
ア本件執刀医(Cである。)がバッグを挿入するに際して剥離した大胸筋 の範囲は,適正であった。
なお,大胸筋の下方は肋骨と付着しているため,この部分を下方に剥離 しすぎることは,大量の出血が起こる危険もあるのであり,本件以上に下 方に切開することは危険であった。
イ義務違反と結果との間の因果関係について
上記(3)イに同じ。
(5) 上記2(5)(マッサージの指導に関する義務違反)について
ア被告は,マッサージの開始を11月19日と予定したが,原告の都合に よりキャンセルになったため,同月18日の電話において,マッサージの 方法を指導するとともに,予定どおりすぐ始めるよう指導した。
また,同 月25日のマッサージ開始後の被告の対応も適切であった。
しかるに,原 告は,同月20日を除き,同月25日の抜糸時までマッサージを実施せず, 同日以降もマッサージを十分励行しなかった。
したがって,マッサージの指導に関し,被告に義務違反があるとはいえ ない。
イ義務違反と結果との間の因果関係について
争う。
(6) 上記2(6)(被告の責任及び原告の損害)について
争う。

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